若手研究者の
挑戦的・萌芽的研究を推進
科学の発展は、既存の知識を積み重ねるだけでは実現できません。これまでにない視点で自然を見つめ、新しい問いを立て、その答えを探究し続ける研究者の自由な発想と挑戦が、新しい学問を切り拓いてきました。
フォアフロント研究センターは、そのような独創的な研究が生まれる環境を整えることを使命として設立されました。
大阪大学大学院理学研究科には、数学、物理学、化学、生物科学、高分子科学、宇宙地球科学という多様な基礎科学分野が集結しています。それぞれの分野は長い歴史の中で発展してきましたが、近年では分野の境界を越えることで新しい研究課題が生まれ、そこから新しい学問が育まれる例も少なくありません。このような多様な研究者が一つの研究科に集うことは、本研究科の大きな強みであり、新しい学問を創造するための重要な基盤となっています。
新しい学問は、一つの専門分野だけから生まれるとは限りません。異なる専門分野の研究者が、それぞれの知識や考え方、研究手法を持ち寄ることで、新しい研究課題や研究手法が生まれ、やがて新しい学問へと発展することがあります。フォアフロント研究センターは、そのような新しい学問が自然に生まれる研究環境を育てていきたいと考えています。
一方で、今日の大学では、研究者は教育、大学運営、社会連携など、多くの役割を担っています。これらはいずれも大学にとって重要な活動ですが、革新的な研究成果を生み出すためには、研究者が自由な発想で研究に取り組み、未知の課題に挑戦できる環境もまた不可欠です。
フォアフロント研究センターでは、優れた研究者が研究に専念しやすい環境を整えるとともに、専攻や研究科の枠を越えた共同研究を積極的に支援しています。また、「しゅんぽじおん」をはじめとする研究者同士の交流の場を通して、互いの研究を知り、新しい問いについて語り合う機会を大切にしています。新しい学問は、研究者一人で生まれることもありますが、異なる専門分野の研究者との対話の中から生まれることも少なくありません。
研究環境を整えること自体が目的ではありません。その環境から新しい問いが生まれ、新しい学問へと発展していくことこそが、私たちの目標です。
革新的な研究は、必ずしも短期間で成果が得られるものではありません。未知の課題への挑戦には、自由な発想を尊重する文化と、それを支える組織の存在が不可欠です。新しい学問は、誰かが計画して生まれるものではありません。研究者一人ひとりの知的好奇心と挑戦から生まれます。
フォアフロント研究センターは、研究者が自由な発想のもとで未知の課題に挑戦し、その成果が新しい学問へと発展していく、そのような研究環境を育てることを使命としています。私たちは、新しい学問が自然に生まれ、世界へ発信される研究拠点であり続けたいと考えています。
今後とも、皆様のご支援とご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
2022年4月
大阪大学大学院理学研究科附属
フォアフロント研究センター
センター長 豊田 岐聡