大阪大学大学院理学研究科附属フォアフロント研究センター大阪大学大学院理学研究科附属フォアフロント研究センター

分野横断プロジェクト研究部門

自然共生高分子科学プロジェクト

新しい持続可能な高分子材料の開発

プラスチックに代表される高分子は有機・無機・生体、さらには金属とも複合化され、現代社会において、様々な局面で社会実装され、大量に消費されています。一方で、環境問題に対する関心も高まっており、新たな価値観を持って、高分子を見つめる必要があります。2019年に開催された国際化学サミット白書においても「新しい持続可能な高分子材料の開発」が掲げられている状況で、本研究プロジェクトにおいては、高分子に関する各方面の研究者が集まり、「新しい持続可能な高分子材料の開発」を目的に、高分子に関する基礎学理と持続可能な社会と資源循環型社会の構築に貢献することを目的にしております。

特色 FEATURE

バイオベースマテリアルを用いた機能性高分子材料を創製します。

刺激応答性高分子材料を用いて弾性率変化を示す平面状細胞足場の開発します。

可逆性・可動性架橋による超分子クロスネットワーク材料の物理的解析を行います。

代表者

今田 勝巳

研究室HP

MOVIE

紹介動画

成果 RESULTS

研究成果

高分子科学に基づいた可動性架橋の理解

可動性架橋が力学特性の向上や複合化に寄与することは明らかになったものの、可動性架橋が高分子材料中でどのように振る舞うかは明らかではなかった。高分子科学、特に緩和挙動や熱特性を調べることにより、材料中での可動性架橋のスライド運動が高分子鎖の緩和に影響することや反応中に形成される可動性架橋の比率を明らかにした。

高分子科学より理解した可動性架橋のスライド運動。

今後の発展

高分子材料の基礎科学に基づいた材料機能の創製

人工・天然を問わず高分子は、身近なものから社会基盤インフラに至るまで広く用いられている材料です。近年は機器・機械の高性能化や環境問題への対応のため、より環境低負荷であり、長寿命な高分子材料が求められています。
本プロジェクトでは、高分子を化学・物理・生物にまたがる広い科学として取り扱い、分子鎖・分子間相互作用という柔軟な結合を組み込むことで生まれる材料機能の理解に取り組みます。材料に加わる力や変形を分散させ、破壊されにくい強靭化材料や自然に傷を治す自己修復性材料などは、製品の小型化・軽量化につながるほか、従来の高分子材料では実現できなかった信頼性・安全性を実現できます。このような高分子科学・材料の基礎研究の展開により、豊かな生活を学術面から実現を目指します。