大阪大学大学院理学研究科附属フォアフロント研究センター大阪大学大学院理学研究科附属フォアフロント研究センター

挑戦的個人研究部門

環境調和型高分子材料研究開発プラットフォーム構築プロジェクト

持続可能な社会実現のための高分子材料の「自己修復」を基盤とした低環境負荷型高分子材料設計学を構築する

本研究プロジェクトでは、高分子材料の「自己修復」を多様な意味で解釈し、高分子材料の長寿命化を通じて持続可能な社会実現を目指します。特に、高分子材料に自己修復を付与するために、可逆性に優れた超分子化学を駆使して高分子材料に調和させ今まで存在しなかった、新しい次世代材料設計を提案します。また、社会実装するために、積極的に本研究プロジェクトの成果を広げる活動もしています。

特色 FEATURE

超分子化学に基づいて巨視的なダメージから材料の性能を回復させ、低環境負荷材料の創製を目指しています。

従来の高分子材料とは比べられないほど優れた形状回復性を達成し、材料の長寿命化を目指しています。

高分子材料と添加剤を新しい材料設計で複合化し、材料の廃棄物低減(低環境負荷)を目指しています。

代表者

髙島 義徳

研究室HP

MOVIE

紹介動画

成果 RESULTS

研究成果

ダメージがあってもすぐ元の状態に戻る材料設計を提案

高分子材料中に従来の化学架橋ではなく、超分子化学を活用して可逆性架橋及び可動性架橋を導入し、様々な自己修復性を達成しました。可逆性架橋を活用して自己修復性コーティング、可動性架橋を活用して強靭かつ形状回復する高強度形状回復性フィルムを得ました。さらには、木材ベース材料のセルロースを改質した、改質セルロースとの複合化と可逆性架橋を調和させて強靭性と自己修復性を併せ持つ機能性複合材料の創製も達成できました。

超分子化学を活用した多様な機能性高分子材料。
超分子化学を活用した多様な機能性高分子材料。

今後の発展

社会実装可能な環境調和型高分子材料設計の提案

超分子化学と高分子材料の融合により、様々な「自己修復」は達成できました。この多様な「自己修復」を社会実装するためには、より簡便に、より大量に作れる材料設計が必要です。本研究プロジェクトでは、持続可能な社会実現に向けて学術的な知見を活用し、今後社会実装のための材料設計を提案して行きます。

超分子化学と高分子材料を融合した長寿命化高分子材料。
超分子化学と高分子材料を融合した長寿命化高分子材料。