大阪大学大学院理学研究科附属フォアフロント研究センター大阪大学大学院理学研究科附属フォアフロント研究センター

分野横断プロジェクト研究部門

宇宙多波長精密観測プロジェクト

宇宙の成り立ちの追究、ブラックホールなどの極限天体の物理学、太陽系外惑星や宇宙生命現象の探索

この部門の研究課題は、宇宙の成り立ちの追究、ブラックホールなどの極限天体の物理学、太陽系外惑星や宇宙生命現象の探索です。宇宙の観測的研究で重要な電磁波であるX線と赤外線を高感度かつ精密に観測するために、私たちの力で最先端技術を利用して宇宙観測装置を開発し、私たちの手で実際に観測運用することを目標としています。X線偏光観測計画XL-Calibur用のX線望遠鏡や、近赤外線系外惑星探査プロジェクトPRIME用の観測装置の開発を進めています。

特色 FEATURE

宇宙研究のための重要な望遠鏡や装置を自分たちで開発し製作しています。

自分たちでこれらの装置を使用して観測データを解析して研究を進めています。

重要な電磁波であるX線と赤外線の観測に重点を置いています。

最先端の研究課題にユニークな手法で挑戦しています。

代表者

松本 浩典

松本研究室HP
住研究室HP

MOVIE

紹介動画

成果 RESULTS

研究成果

X線望遠鏡や赤外線望遠鏡を開発しています

X線偏光観測は、いまだに数例の限られた天体でしか行われていません。我々は本格的なX線偏光観測の実現を目指して、気球実験XL-Caliburを進めています。XL-Caliburは日米スウェーデンによる国際共同実験です。大阪大学は、宇宙科学研究所、広島大学、愛媛大学、沖縄科学大学院大学、名古屋大学などの科学者と理工連携で、硬X線望遠鏡の開発を進めています。また、惑星形成の理解に重要となる系外惑星を多数発見するための近赤外重力マイクロレンズサーベイ観測を世界最大級の規模で行う、 PRIME(Prime-focus Infrared Microlensing Experience)計画を進めています。 望遠鏡には重力マイクロレンズ探査に特化した口径1.8mのPRIME望遠鏡を南アフリカ共和国のサザーランド観測所(SAAO)に新しく建設して使用します。

今後の発展

Athena計画、FORCE計画、Roman計画などの国際将来計画を推進します。

国内の他機関や、NASAやゴダード宇宙飛行センターと共同で、高角度分解能で高エネルギーX線を観測するFORCE計画を進めています。また、ヨーロッパ宇宙機構が推進する巨大X線天文衛星計画Athenaに参加します。これらの主目的の一つは、巨大ブラックホールの成長機構の解明です。宇宙赤外線観測においては、米国主導の広視野赤外線望遠鏡衛星Roman計画を、日本の研究者のとりまとめ役としてリードしています。ビッグバンによる宇宙誕生後に銀河や恒星、惑星系が生まれてきた過程が解明されると期待されています。