大阪大学大学院理学研究科附属フォアフロント研究センター大阪大学大学院理学研究科附属フォアフロント研究センター

分野横断プロジェクト研究部門

「光×質量分析」プロジェクト

光科学・技術と質量分析の融合で、分析科学の未来を拓く異分野融合型研究をデザインする

大阪大学は、国内唯一といってもよい、大学における質量分析の装置開発拠点をFRCに擁しています。21世紀、光科学のフォアフロントは、飛躍的前進を続けていますが、質量分析のポテンシャルを活かすには至っていません。本プロジェクトでは、両分野の交差・融合によって、分析科学のフォアフロントの展開を図ります。分野の交差・融合は、それぞれの分野での研究の専門化が高度に進んだ現在、難しい課題です。研究グループ間の対話の積み重ねはもとより、既存の枠にとらわれない自由な発想に基づく研究や開発の発掘・奨励など、さまざまな試みを交えて、新しい研究プラットフォーム創生の場づくりに挑戦します。

特色 FEATURE

「光×質量分析」関係者ネットワークを対話活動により広げていきます。メンバーシップ制を採用します。

学内外に、「光x質量分析」研究デザインネットワーク拠点を置き、メンバー間交流を促進します。

「光x質量分析」研究デザインに向け、萌芽的挑戦的研究群の組成を目指します。

基本原理に基づく実験装置開発を奨励し、パブリックエンゲージメントを通じた研究人材育成を推進します。

代表者

兼松 泰男

成果 RESULTS

研究成果

学際研究の苗床、学生・院生・研究者の自由な発達と活躍の場

1995年に発足し20年に渡って存続した大阪大学ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー(VBL)は、光科学研究をコアとした理学・基礎工学・工学を貫く分野横断型の組織でした。最盛期、まさに学際研究の苗床であり、学生・院生・研究生・教員の自由な発達の場でした。萌芽研究から社会実装まで、個々の研究室における先端研究を柱としながらも、その枠組みからはみだして研究を進めること奨励し、お互いの研究を理解し共同することができる、フィアレスな環境がありました。ベンチャーの萌芽となる研究を育み、アントレプレナ―シップに富んだ人々を鼓舞してきました。本プロジェクトの核となるのは、このVBLを築き発展させてきた旧メンバーです。その人脈をベースとして、さらに企業メンバーをはじめとする学外メンバーをとりこんで、人的ネットワークの基盤を形成します。

今後の発展

ネットワーク・クレイドル形成からサブプロジェクト組成へ  

分野横断研究プラットフォームのモデルの創生を目指し、以下のアクションを予定している。①メンバーシップ制を導入し、ネットワークを形成する。サイエンス・キャラバンの仕組みを活用してイベントドリブンでメンバーを広げていく。②心理的安全性を担保した交流と研究デザイン活動の拠点(クレイドル)としての部屋を確保する。③コア研究プロジェクトを設定する:PRCにおいて、すでに、超解像蛍光イメージングと質量イメージングとの融合研究が展開してきたが、さらに、位相制御コヒレーントラマン分光イメージングを始めとする先進研究の質量分析分野への導入を検討する。④ VBLから移管したフェムト秒レーザーなど分光システムと自作質量分析装置を活用してシステムを開発し、萌芽研究サブプロジェクト群を立ち上げる。これらサブプロジェクトへ学部学生を巻き込んでいく。⑤サイエンスフェスタなどのパブリックエンゲージメントへの参画により、研究者が育ち、活躍し、その姿が次世代を引き寄せるという正循環を招来することを目指す。